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2007/10/01

F-1カーがハイブリッド車になる日

〜自動車がもたらした自由の実感〜
●今からわずか100年余り前の19世紀終盤。我々人類は、「移動の自由がない」地域中心の閉じられた社会環境で過ごしていた。
しかし自動車が誕生したことで、有史以来続いた固定概念が壊れ、クルマはヒトが自由に移動することを日常にしてしまった。歴史的には、このことが人間社会をムラ社会主導から都市集中型へとへ変革させる切っ掛けになったと言われている。
それは産業革命や社会変革よりも、19世紀の人々に「自由の実感」を与えた出来事だったに違いない。

●以来、自動車は「単に人間を運ぶ役割」を超える持ち物として受け入れられた。
そしてそれは、「これ」といったエネルギー資源持たないどころか、目立った鉱物資源すら持っていなかった東アジアの島国・日本の高度経済成長を支えるなど、今にして思えば20世紀において人類の可能性を無限にしてくれる存在であったのだと思う。

〜何事も過ぎたるは及ばざるが如し〜
●しかし21世紀を迎え、自動車は現代潮流の中で大きな転換期を迎える。
その切っ掛けは、1972年に発足したローマクラブがある。
それは「環境破壊」という言葉を世界に知らしめることとなった出来事であり、この頃から自動車の排出ガスに起因する大気汚染や地球温暖化の問題が明らかになり始めてきた。
まさしくそれは増殖し過ぎたゆえの「過ぎたるは及ばざる如し」で、わずか70年目にして人間を自由にしてくれたハズの自動車は「人間を苦しめるもの」へと変わり始めたのである。

●以来40年余りを迎えつつある今日、それでも自動車は、世界各地の途上国の経済伸張を下支えしており、例えば遅れてきた大国・中国を例に取ると同国の物流面を支える自動車輸送の消費エネルギーは巨大だ。
具体的には国内ガソリン総生産量換算の8割以上を。ディーゼルオイルの4割以上を日夜消費し続けているのである。

〜自動車が国家に経済損出をもたらす〜
●お陰で北京や上海、広州など大都市圏では、水や大気の汚染問題が深刻化。
特にオリンピック熱が高まる北京では、自動車の増加率が年50〜80%に到達。交通渋滞による国家の経済的損失は年間60億元、年間国内総生産の2%にも達している

●そんな自動車業界内では、デンソーやボッシュを筆頭とする電子部品メーカー各社が次世代自動車造りの主導権争いを目指し広州市などの中国本土に進出。
一方で、経営力の乏しい自動車メーカーは投資ファンドによる企業買収先として捉えられ、格好のマネーゲームの対象になり始めている。

〜ウエル・ツー・ホイールという物差し〜
●ちなみに化石燃料や原子力・水力など、自動車燃料の精製にかかるエネルギーを含む動力変換効率を、近頃の技術者は「ウエル・ツー・ホイール」と呼んでいる。
このウエル・ツー・ホイールとは、自動車が設計されて工場で作られ、最終的に走る迄で排出するCO2排出量に関わるもの。
それは搭載されるバッテリー生産に掛かる環境負荷など、総合的に対象の自動車が「本当にエコなのか」を推し量る物差しと言えるだろう。

●ところで、自動車に関心の薄い一般消費者にとっては意外かも知れないが、走行時にCO2排出量の少ないハイブリッド車は実のところ当初、工業製品としての環境性能はそれほど高い訳ではなかった。
つまり今は量産効果が上がって環境性能が大幅に向上、少なくとも日本では代表的な省エネルギー車とされているハイブリッド車だが国際感覚上では、あくまでも燃料電池車登場までの単なる「中継ぎ」と考えられていたのである。

〜安全性と相思相愛のハイブリッド技術〜
●しかし今やハイブリッド車は、中期的な本命技術として捉えられるほどウエル・ツー・ホイール性能を上げている。そもそもの欠点だったパワー不足も今やどこ吹く風で、厳しい生き残り競争が求められる国内GTレースでトップを快走する実績も上げ始めているほどだ。

●また昨今は、クルマの速度や周囲の渋滞情報などを発信、他車と情報交換して渋滞回避行う一方で、地域サービスやエンターテインメント情報を入手可能なテレマティクス機能の搭載。
さらに「安全性や快適性の向上」という意味においても、衝突を未然に防いだり、障害物を検知したりする技術がハイブリッド車の追い風になりつつある。

●というのは自動車メーカーとして、こうしたアクティブセーフティー技術向上は競争力強化の重要な柱に据えているためで、電子化技術の自動車への搭載は増える一方だからだ。
このため特に電動装備や通信機器が数多く搭載されることになる高級乗用車では、標準搭載のバッテリー容量はもはや限界を迎えている。
そこで新型車開発につきまとう慢性的な電力供給不足を、ハイブリッド化で改善するクルマ造りが自動車メーカー各社で急加速中。それにより「ハイブリッド車がこれまで以上に増殖するのでは?」という見方が、業界筋では強まってきているようである。

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