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2005/07/18

真の国際競争にさらされる日本の自動車産業

●独・Hella(ヘラー)が、後付け用コーナリングライト「DynaView Evo2」を開発した。
このDynaView Evo2は、直径90mmのハロゲンライトを照射機能に、エンジンルームへセンサー役を担うECUユニットを設置・連動させ進行方向を動的に照射。自動車の安全性を高める機能パーツだ。

●またDynaView Evo2は車速連動タイプなので、カーブ区間が終わると徐々に減光する機能も備える。
似たようなコーナリングライトは、新車装着でなら日本車にも存在しているが、後付けユニットとしては世界初。Hellaではこうした独自の開発商品を足掛かりにするなどで、日本マーケット進出の方向性を模索し始めているようだ。

●そんなHellaについては一部の欧州車マニアを除くと、日本ではあまり知られていないようなのだが、自動車生誕地であるドイツにおいて自動車そのものがまだ異端だった1889年、同国リップスタッド市で産声をあげたヘッドライトブランドとして世界ではよく知られている。
以来1世紀以上の間、人類の未来を切り拓く新たな乗り物の行方を常に照らし続けてきた

●さらに近年は、自動車用電子部品や同制御用ソフトウエアで高い開発能力を発揮。社員総数2万人超・4000億円の事業売り上げを背景に、欧米だけでなく遠く南半球や中米でも自動車電子部品のトップブランドとして君臨。
去る2002年には日本のスタンレーとの協業を発表した自動車エレクトロニクス企業だ。

●昨今は日本の自動車業界もハイブリッドや自動運転技術で注目されているが、実のところ「走る」「曲がる」「止まる」という自動車の基礎技術において、Hellaを筆頭とする欧州陣営は未だ日本メーカーにはない独自資産を持っている。

●というのは、日本が軍事需要や政治的な目的のためではなく、純粋に自動車産業に精力を注ぎ始めたのは国民車構想を打ち出した1955年以降から。
対して欧米の2世紀を超える試行錯誤の蓄積は、日本人に先駆け努力をしてきただけに歴史の重みがある。
このため日本人技術者が欧州部品メーカーのR&Dへ訪問するなどは今も活発に行われているほどだ。

●さてそんなHellaの日本市場への取り組みは、同社グループ内でアジアエリアを担うヘラー・アジア・パシフィックが1995年、東京港区に日本駐在事務所を開設してから大きく加速されている。
具体的には全世界で生産される日本車の組み込み部品事業や、日本国内仕様車の開発に関わるなど、自動車メーカー各社の技術研究所とのパイプは日増しに太く強固になりつつある。

●特に近年は、ユビキタス環境を支える電磁アクチュエータやモジュールユニットの開発に熱心で、一般のカーオーナーには見えない黒子的な立場で鋭意活動中だ。ちなみにHella日本駐在事務局では、スタッフに占める日本人の占有比率が高く、他の海外資本とはひと味違う戦略をとっていることも大きな特徴のひとつだ。

●20世紀終盤に日本国内で巻き起こった規制撤廃の流れは、今日を迎えこうした欧州企業の直接投資を誘引している。そしてこれを受けた多く欧州企業では、自社ブランドの訴求力や浸透力の向上を目的に、日本市場に並々ならぬ意欲を持っているのである。
日本企業はそうしたなかで国内メーカーとの激しい価格&技術競争に勝ち残るだけでなく、続々参入を果たしてくる欧州企業との対決にも挑まなければならないようだ。

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