ハマー H3誕生を機に日本のラグジー現象急変の兆し
●軍事車両を民生用仕立てにしたことで生まれたH1ことHUMMERだが、以降、次世代モデルとなったH2は、時の「LUXURY・ラグジー」という新たな自動車ドレスアップの流行に伴い、米国や日本で爆発的な人気を獲得した。その同シリーズが全長4720mm×全幅1970mm×全高1850mmとさらに小型化され、新型H3として近く日本の街を闊歩する。
●ここ数年、ヒップポップシ−ンのブレークとともに日本国内に初上陸を果したLA LUXURY CARことLUXURYは、そもそも米国のプロバスケットボールプレーヤーやブラックミュージックのアーティストたちが、東海岸のアングロサクソン系セレブとは対極を成す新しい自己主張の形として編み出したものだ。
●日本でもこの約束事はシッカリ守られているようで、こういう愉しみ方を満喫するユーザーたちは、ベース車両にエスカレードなどの米国製の大型SUVをチョイス。24インチを超える大径ホイールを履き、一方で室内は複数のマルチモニターに加え大型のパワーアンプを搭載するなど、独自の作法を硬く守っている。
●しかし昨今こうしたブームも大きな曲り角を迎えた。事実、コアユーザーに向けた大径ホイールの売り上げは、ここのところ右上がりの上昇推移がある程度ゆるやかになっている。正直一般ユーザーにとって現在のアピアランスではマイカーにする気は起きないのだろう。そんな中で登場したH3は、そのボディサイズと価格が日本製大型SUVと同格(449万4000円・タイプS・5MT)というレベルに落ち着いている。
●こうした流れから考えてLUXURYというブームが、早くも終焉を迎えていると考えるのはあまりに早計だろう。確かにコアユーザー向けの戦略商品はスタンダードなコミュニティを一巡してしまったのかも知れないが、チョイスされるクルマの選択肢は広がるなど、比較的濃く狭い社会的ブームの後にはたいてい大きなマーケットにおけるブレイクの連鎖が始まる。
●そのきっかけが今回のH3であり、トヨタがいよいよ始動させるレクサスブランドもこうした次世代LUXURYの起爆剤になる可能性が高い。それは米国製大形SUVをベースに愉しむ現在のコア層とは違うものになるかも知れないが、そもそも市場全体の大きく動かすブームは最初のコアな流行とはたいてい大きく異なるものだ。
●実際、日本国内でこうしたブームの火付け役となった千葉のブルーワークスでは、ここ2年位前からユーロ系ホイールを使用した新しいラグジーの可能性を模索している。目下のところそんな日本版LUXURYのブレークは、まだやってきてはいないのだが、この夏以降新しい可能性が華開く可能性が高いのではないかと思っている。
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